USCPAを目指したきっかけを教えてください。
日本経済の今後の低迷を見据え、米国でも会計士として働くことができるように資格取得を目指しました。
合格までの学習期間、実際の学習時間、
具体的な学習方法を教えてください。
合格までの学習時間:4か月
1週間あたりの学習時間:平日4時間 休日8時間
現在日本の大手監査法人より1年半の短期で米国駐在中であり、帰任前の全科目合格+ライセンス取得を目標に掲げていました。また、先人より夏は業務量が大幅に減ると聞いていたため、夏に学習を開始し、年内に全科目合格するプランを立てていました。日本の公認会計士資格を保有し、また海外留学経験等は無いもののTOEIC870点程度の英語力はあったため、他の方より多少有利なスタートではあったかと思います。
学習は2019年7月の頭より開始し、平日は仕事の前後で必ず4時間、休日は半日は妻と娘への家族サービスに費やしながら、残りの1.5日でトータル16時間は勉強時間を確保するように努めました。最後の科目は11月4日に受験したため、トータルでの学習期間は4ヶ月程度だったと思います。
私の具体的な学習方法はシンプルで、各科目テキストの読み込みに1週間、MCQ過去問題演習1周に1.5週間、模試に1日、まとめノート1周に1日、本試験という形で基本的に3週間の学習期間に全てを詰め込みました。REGだけはテキストのみでの学習に不安があったため、テキストの読み込み前に講義を1.5倍で1周しプラス1週間費やしました。また、AUDでは3分の1程度、REGではTax関連全てのTBS過去問題も解きました。平日に3日程度でこなしたと思います。
私の学習方法の肝はまとめノートの作成です。短期間での合格が必須であったことから、MCQを何周も回したり、TBSや模試を全科目1周する時間は無かったため、TBSはMCQの集合体だからMCQさえマスターすれば必然TBSも対応できるはずと割り切り、MCQを1周する際にテキストと併せて重要箇所を漏れなく自作のまとめノートに書き込むようにしました。AUDは最初の受験科目であったためTBSに慣れる目的で過去問題を少し解き、またREGはMCQだけではどうしても全体像が分からなかったため理解を補完する目的でTaxの過去問データーベースを1周しました。BECのWCは基本的には自動採点であるためキーワードを散りばめることが重要とのこと、省略形や箇条書きは厳禁であること等の基礎知識を学んだうえで、後は日常の業務どおりに文章を書き連ねることを意識しました。
講義の良かった点を教えてください。
REGのみ講義を受講しましたが、非常にキャッチ―な表現を多く用いてくださったおかげで視聴後も記憶の定着が良かったです。また、難解な英語の法律用語を分かりやすく教えてくださり、以前講師業に携わっていた身として大変参考になる部分がありました。
学習に一番時間がかかった科目は何ですか?
REGです。英語の法律用語が難解なことに加え、米国の法律に全く馴染みが無かったため、内容を理解することに非常に苦戦しました。最後まで全体像を理解できない論点もありましたが、ここは受験と割り切って自分なりの理解に徹し、必要であれば合格後に改めて学習しようと思考を切り替えることで乗り切りました。また、REGだけはTax関連のTBS過去問題を全て解きました。このおかげでUS TAXという深い森の全体像が少しだけ見えたような気がしています。
試験直前時期の学習方法や、おすすめの学習方法があれば教えてください。
間違いなく自作のまとめノートの1周です。色々な学習方法があるかと思いますが、私はテキストに問題集に模試にと複数の教材に重要情報が点在している状態があまり好きではないので、自分が重要だと思う情報を科目ごとにノートにまとめ、このノートさえ押さえれば必ず合格できるというノートを作ることで全科目を短期間で走り切れました。これにより、仮に不合格の場合でも、次回はこのノートと苦手な論点のMCQを少し復習するだけで、合格点に達する自信がありました。従って、2回目以降の受験を見据えた場合でも効率的な学習方法であったと自負しています。
受験手続きサポートについてのご意見をお聞かせください。
今まで数々の受験サポートを受けてきましたが、最も頼りになるサポートだったと感じています。レスポンスが迅速かつ丁寧、また正確であったため、非常に安心感がありました。
各科目の試験の感想を教えてください。
FAR
2番目に受験した科目です。当日の試験問題は過去問題よりよっぽど簡単でした。3時間程度で終了してしまいました。運が良かったのかもしれません。公会計は時間が無く暗記せぬまま本番を迎えてしまいましたが、MCQでやはり10問程度出ました。案の定全然解けませんでしたが、きっと周りの人もあまり出来ないのだと思います。
REG
最後に受験した科目です。MCQもTBSも過去問題とほぼ同程度の難易度でした。学習時点からIndividual tax、Partnership、Estateの計算に苦戦していましたが、Corporate taxとProperty taxが得意だったので全体としての出来上がりは及第点という感じでした。Business lawは時間が無く過去問題を解けませんでしたが、要点だけ暗記していたので半分程度は取れたのではないでしょうか。
AUD
最初に受験した科目です。TBSがどのテストレットも添付資料が複数あり、最後の大問で半数近く空欄を作ってしまいました。問題の難易度も非常に高く、1番手応えがありませんでした。ただ、この1番手応えのない科目で88点を取れたので、やはり日本の公認会計士試験のように完璧を目指さなくても良いのだと確信できました。
BEC
3番目に受験した科目です。MCQは割と高難易度でしたが、TBSは簡単でした。WCは正直問題の要旨もよく分からず、キーワードも大して使えませんでしたが、普通に上司にメールを打つような感覚で適当に作文してみたらそれなりの点数が来たようです。
試験後の反省点、事前にやっておいた方がよいことがあれば教えてください。
プランどおり進めることが出来ました。
試験会場と現地の印象を教えてください。
気さくに話しかけてくれる試験監督の方が多く、リラックスできました。
合格後に仕事でどのように活用できましたか?
または、転職やキャリアアップにどのように役立ちましたか?
まだ合格して間もないですが、赴任地の米国人上司は仕事と並行してUSCPAの資格の勉強をしっかり進めている点に感心してくれていました。また、もの凄い量の英文を読んで短時間で理解する訓練が学習中に自然と積まれたため、日常の仕事にも大きく活きていることを実感しています。
これからUSCPAを目指す方や、勉強中の方へアドバイスをお願いします。
受験者の半数程度が合格できる試験なので、完璧を目指さなくていいと思います。個人的な感覚ですが、日本だと75点ギリギリかな、という手応えでもこちらの試験だと90点程度は取れます。こと受験に関しては米国人より日本人の方が圧倒的に強いので、自信を持ちましょう。
USCPAの試験に関しては、多様なバックグラウンドを持つ方が受験するため、これが絶対に正解という学習方法は無いと思います。ただ、私のように日本の公認会計士資格を持ち、監査法人での勤務経験があり、また留学経験は無いものの割と英語の読み書き(受験英語)は得意という方は是非私のアドバイスを参考にしてみてください。要点は以下のとおりです。
・短期集中で全科目合格する。
・テキストの理解とMCQの過去問題演習1周に心血を注ぐ。
・1日弱で1周できる程度にテキストとMCQの要点を全部押さえたまとめノートの作成がおススメ。試験直前に1周することで自信が持てますし、何よりノートの内容を全て理解していれば100点が取れるはずです。
・過去問題演習は1周だけと決める。過去問題データーベースの中でも同じような問題が何度も出たりするので、1周しかしていなくても結果として似たような問題を何周かしていることになります。
・TBSに焦点を絞った対策は個人的には不要だと考えていますが、REGは全体像の理解が難しいため、Taxの部分だけ1周することをおススメします。
・最初の1科目目の受験で、自分の手応えと実際の点数を比較してみてください。もし実際の点数の方が高ければ、後の科目も余裕を持って進められますし、レベル感も分かるかと思います。
その他、ご意見、ご感想などございましたらご自由にお書きください。
目標どおり短期間で資格を取得できたことでほっとしています。学習中は色々と親身に相談に乗っていただき、本当にありがとうございました。