USCPAを目指したきっかけを教えてください。
前職はメーカーの海外事業部で東南アジア・香港の総代理店担当、また子会社と連携して事業企画を中心に営業・マーケティング・新規開拓を含め海外事業に係る業務を一通り行いました。USCPAを目指した経緯は①事業管理・子会社管理、また将来駐在を考えると会計の知識は役職が上がるほど必須であること、②会社が大型IPOに向けて管理体制を強化する中で英語ができる会計士の重要性を肌で感じていたこと、③将来的に経営企画、経営に携わっていきたいと思い決断しました。
合格までの学習期間、実際の学習時間、
具体的な学習方法を教えてください。
合格までの学習時間:2年半
1週間あたりの学習時間:平日2時間 休日5時間
仕事が忙しくなると勉強を全くしない時期もありましたので実際の学習期間は1年強かと思います。安定した勉強をできないことが私の欠点でもあり、1日16時間ほど追い込めることが長所でもありますがUSCPAは期間が空いてしまうと全て忘れてしまうので安定した勉強をした方が良いかと思います。どの科目も勉強方法は同じなので、良かった/悪かった勉強方法を下記列挙します。
【良かった点】
・MCの過去問を沢山解く。これに尽きます。問題を見た瞬間に回答までのプロセスがわかるようになります。
・分からなかった問題を論点毎に管理し次回間違わないようにする。
・テキストはタブレットに保存しわからない問題があったらすぐに見返すようにする。
【悪かった点】
・講義を聞いて理解したと勘違いし問題を解かない。
・MCを完璧にできる段階ではないのにSimulationの心配をし中途半端に試験を迎える。
・会計を理解していないのに監査を受験してしまう(監査のSimulationは年度末の修正が多いので会計がわからないと解けないかと思います)。
講義の良かった点を教えてください。
私がProactiveに決めた理由は佐々木先生の講義が面白いからです。監査・税法のような講義をリアルな体験・面白いエピソードを交え講義ができるのは佐々木先生しかいないと思います。また、実務で英語の会計用語を先に学んでいたので、江戸時代の会計用語を入れて混乱するより英語のテキストだけで勉強した方が良いと思いました。
学習に一番時間がかかった科目は何ですか?
FARです。子会社のP/LとC/Fは管理していたので馴染みがありましたが、B/Sは理解するまで時間がかかりました。また、仕分けも苦手で勉強する時間が割けないとすぐに忘れてしまいました。
試験直前時期の学習方法や、おすすめの学習方法があれば教えてください。
試験直前は実際の試験を想定し自分で模試を繰り返し何%できているか確認しました。また、間違った問題はエクセルで管理しエクセルが白紙になるまで繰り返しました。
受験手続きサポートについてのご意見をお聞かせください。
ご返信も早いですし完璧です。これ以上のサービスはありません。USCPAの登録や申請は本当に分かり難いので助かりました。
各科目の試験の感想を教えてください。
FAR
一番苦労し最後に合格しました。簿記、経理経験がないと難しいかと思いますが頭の中で常に仕分けをイメージできるようになると合格に近づいているかと思います。一度落ちましたが理由はMCを完璧に理解するレベルまで勉強していなかったからだと思います。MCで政府会計、NPOは必ず2割~3割は出題されると思いますので満点を狙うべきです。また、アメリカ人はFARが一番苦手だと思います。従ってSimulationができていなくてもMCが出来ていれば相対評価で合格できる可能性が高まると考えました。実際に私はSimulationで自信がある問題は1つもありませんでしたが80点で合格しました。
REG
異例の最初の合格科目です。勉強期間も1か月半で一発合格でした。税法は足し算、引き算なのでFARに比べて親しみが沸いたのとアメリカのドラマが大好きなのでPartnership等の会社制度に対する親しみがあり楽しく勉強できました。また、アメリカに交換留学しておりCheckの仕組みを理解していたこと、英文契約を業務で行っていたのでBusiness Lawは完璧に仕上げることができました。Business LawはMCで2-3割ほど出た記憶があるので税法ばかりに注力していると何度も落ちるとよく聞きます。
AUD
二度目の挑戦で合格しました。海外貿易で書類のやり取りは行っていたのと前職がIPOを控え管理体制を強化していたので監査プロセスに親しみがあり理解に苦労はしませんでした。ただ、Simulationでは会計の知識を問われるのでFARを合格してから受験することを強くお勧めします!(当然かと思いますが…)尚、MCでは2択までは簡単に絞れますが監査プロセスを正確に把握していないと1択に絞れず点数が上がらない場合、監査プロセスマップを自分で描けるようになれれば間違えないかと思います。
BEC
2度目の挑戦で合格しました。日本人の戦略はEssayを除き85点中75点を取り合格だと思いますが結構ここに落とし穴があると思いました。MCはITが2割ほど出題されるので完璧にすることと内部統制も重要ですが、他は範囲が広く浅すぎるので勉強範囲を絞るのが難しいかと思います。また、Simulationは難しくないですが傾向がつかめず、英文読解のような問題も出題された記憶があるのでEssayである程度点数を稼げないと危険かと思います。
Essayでは内部統制関連は99%出題される(内部統制関連は必ず採点される、またessayが0点だと合格できないという都市伝説もある…)ので20問くらいは自分の答案をイメージしておいたほうがよろしいかと思います。平均点が高いので英語力が重要な科目だと思います。
試験後の反省点、事前にやっておいた方がよいことがあれば教えてください。
どの科目も共通ですがMCを完璧に解ける能力があれば最低限のSimulationは解け合格できると思います。Simulationの傾向としてどの問題(AUD,FAR,REG)も沢山のExhibitsがでるようになっています(私が受験していた過去一年でも毎回増えている感覚です)。従って英語読解の速さは求められるとかと思いますが難しい問題はみんな解けませんので、1つの問題に固執し最後まで終わらないで後悔するよりも捨てる勇気も大切です。私は難問を捨てる勇気がなくネガティブになり最後まで終わらなかったので皆さんはこのようにならないようにしてください(笑)
試験会場と現地の印象を教えてください。
東京と大阪で受験しました。
電卓を貸出ししていることを当初知らなかったのですが電卓貸出あります!
また耳栓は持込できるので自前のほうが良いかと思います。
合格後に仕事でどのように活用できましたか?
または、転職やキャリアアップにどのように役立ちましたか?
勉強を開始した時は事業管理・管理会計が中心でしたが数値への抵抗が徐々になくなり、海外子会社に問題点を指摘できるように日々向上していたと思います。また、私は3科目合格時点でBig4系監査法人のコンサルチームに転職しましたが未経験ながら問題なく転職できました。私の経験ですが英語ができる会計士は大手企業でもほとんどいません(従って監査法人のコンサル案件が増えている)。海外進出する企業が増えグローバル化がこれからも加速するのは確実なので、英語ができ経験がある会計士はどの企業からも需要があり続けるのは間違えありませんし、米国でもIPOを経験しているCFOが不足していると最近ニュースになっていたかと思います。
これからUSCPAを目指す方や、勉強中の方へアドバイスをお願いします。
私は毎日決まった時間に勉強するという生活ができていればもっと早く合格していたと思います。
また、時間は割けても仕事のストレスでイライラしていると効率いい勉強ができないこともありました。
仕事、勉強しかしていないと体が凝るので酸素カプセルに行ったり、温泉に行ったり、ジムで運動をすることで勉強に集中できるよう体調管理もしました。
お伝えしたいことは如何に自分なりの勉強方法を確立し効率よい勉強体制を整えるかだと思います。また、必ず超難解な問題が出題されるので精神を安定させ自分の戦略を崩さないことが大切です。(本当にこれが大変です!)
このテストは運で受かることはないと思います。勉強した分だけ点数に反映されるわかりやすい試験です。
Big4で現在働いてますが、本当に働きやすい環境で優秀な方々がたくさんいます。
日本人が思う以上にアメリカでの価値も高い資格なので当然難しい試験ですが、未来の自分を想像し頑張ってください!
その他、ご意見、ご感想などございましたらご自由にお書きください。
Proactiveでなかったら最後まで頑張れなかったと思います。本当にありがとうございます!これからもよろしくお願いします。