小さい頃からの夢
「会計士になりたい!!!」という小さい頃から漠然とした夢を持っていた私は、米国留学中にとった会計の授業をきっかけにUSCPAを目指すことになりました。
この体験記は2005年5月にグアム大学のUSCPA講座を受講し始めてから、2006年11月に全科目1回の受験だけでUSCPAに合格した私の体験記です。キーワードは「短期集中」。少しでも皆さんの参考になると幸いです。
留学中に会計の虜に。
「会計士になりたい!!!」と小さい頃から思っていました。
ただ、それはあまりにも漠然とした夢で、どうやったらなれるのか、どういう仕事なのか真剣に考えたことはありませんでした。「会計士」の資格取得を真剣に考え始めたのは大学3年生の時。初めて会計の授業を受けた時でした。会計は数字を使ってできるひとつの物語のようで、私はどんどん会計の世界に惹き込まれて行きました。
そして、その直後に米国へ一年間交換留学をすることになり、米国会計を学ぶ機会に恵まれました。そこで会計の虜になり、会計の頂点を極めたいと思うようになり昔からの夢であった会計士の資格を大きく意識するようになりました。
会計士の資格を取得するにあたっては、米国会計を実際に大学で学習し、米国会計が比較的シンプルで分かりやすかったこと、日本の会計士試験よりも米国公認会計士の試験の方が合格しやすいこと、から米国公認会計士の資格を目指すことに決めました。
プロアクティブ/グアム大学日本事務局を選んだ理由
USCPAを取得するにあたって私はできるだけ英語で学習しようと決めていました。先にも述べた通り、米国会計はそのものが比較的シンプルだったので日本語→英語と学習して行くよりも英語でそのまま勉強して行った方が効率が良いと思ったからです。
英語はもともと得意でしたが、会計、監査、税法等を独学で進めて行くことは難しいと思い、専門学校を利用することにしました。数あるUSCPA学校の中でグアム大学を選んだ理由は、バイリンガルである佐々木講師の授業で英語でのインプットが可能なこと、通信コースの利用で米国留学中でも受講開始が可能なこと、単位取得制度でライセンスが取得しやすい州の受験が可能なこと、があげられます。
DVDを一通り見る
2005年5月-2006年5月(大学4年-社会人1年目)
全体像をつかむためにDVDを一通り見ました。2005年9月に留学から帰国した際には、グアム大学にて佐々木講師の授業をライブで受けたりもしました。この時期は、大学、留学からの帰国、就職活動、卒業、就職等忙しく、まとまった時間がなかなか取れませんでした。
ただ、ここで焦ることはせず、頭に知識を詰めていくよりはテキストに重要事項を書き込みながらノート作りをするつもりでDVDを見ました。グアム大学の授業はポイントごとに暗記しやすいフレーズ(かけことば??)があり、ノート作りにはとても便利でした。
出願
2006年3月にグアム大学で不足単位を取得し、FACSへの学歴審査、出願書類作成・送付を行いました。私は2006年8月に初回受験を予定していたので5ヶ月前に出願手続きを行いましたが、出願後に取得単位が受験条件を満たしていないことが分かり5月頃に急いで単位を追加申請しなくてはなりませんでした。
その後コーディネーターにメールをしたり、電話をしたりして何とか8月受験の準備ができましたが、勉強よりも出願準備に力を使う結果となってしまいました。出願は手間と時間がかかる上、どんなハプニングがおこるかまったく予想出来ないので、受験時期に関わらず早め早めに準備を進めて行った方がいいと思います。
また、モンタナ州出願は出願書類を提出する際に公証が必要で、米国大使館または公証人役場に行かなくてはなりません。仕事をしているとそのような時間をつくるのが難しいので、時間を上手く見つけて早めに準備することをおすすめします。
BISK一周目
2006年5月-7月
DVDを一通り見終わった私は、BISK(USCPA試験の問題集)を解き始めました。BISKは分厚いので1チャプターごとに切り刻み持ち運びやすいようにしました。また勉強時間は朝の1時間をカフェでコーヒーを飲みながらとるように工夫しました。
この頃は、DVDを一回さらりと見ただけだったので、特に重要事項を暗記していたという訳でもなく、正答率は30%前後とひどいものでした。ただ、焦ることはせず、問題を一通りやれば問題慣れして自然に知識もつい行くだろうと思って、ただひたすら問題を解いて行きました。BISKを一周してみて、達成感はありましたが、内容をまったく理解していなかったので、暗記の重要性を感じました。この時点での私の理解度は10%にも達していなかったと思います。
※現在はWEB上にてBISK及びWileyの過去問題6,000問以上の解説を行っております。
受験日決定
前述の通り、単位不足というハプニングがありましたが、何とか8月に受験できることになり、8月の下旬の試験を予約しました。
この時点での自分の理解度があまりに低かったことに加え、初回受験だったのでUSCPAの試験とはどんなものか試しに見てみたい、という気持からBECとREGの2教科のみの科目受験にしました。受験日が決定したことで期日が明確になり、モチベーションがあがりました。
短期集中
試験まで1ヶ月。それまであまり真面目に勉強していなかった私は、短期集中で勉強する決意をしました。私のこの1ヶ月の学習内容は次の通り。
- グアム大学のテキストを見直しながら重要事項を暗記。
- 見直しが終わった項目をBISK問題集で解く(BISK2周目)。この時、間違えた問題番号を書き留める。
1と2を合わせて10日ほど - BISK2周目を終えて理解が浅い項目と頻出重要項目について暗記ノート作成。並行してBISK2周目で間違えた問題に再挑戦。
※ 1週間程度 - 試験までひたすら暗記。また問題慣れするためにBISKの問題を一日100問くらい解く。
このころの私の毎日のスケジュールは左の図のようになります。週末は図書館などを利用し、8時間くらい勉強しました。
私はこの時まで7時間以上の睡眠時間をいつも必要としていましたが、1ヶ月という短期間だったのでこのようなハードスケジュールでも集中して頑張れました。
試験本番 BEC & REG
試験会場は交通の便が良いサンフランシスコを選びました。ホテルはハイアットリージェンシーをとり、試験会場はそこから徒歩2、3分でした。ホテルも市内にあり、空港からも電車ですぐに行けるのでとても便利でした。試験は一日に1教科ずつ受験しましたが、サンフランシスコ滞在中はあまり勉強せず、リラックスして買い物などを楽しんでいました。
試験そのものはBISKで解いていた基本的な問題が多いように感じました。初めての受験だったので自分がどれくらいできたのかまったく分かりませんでしたが、これからはもっと基礎問題に注力しようと思いました。
結果待ち
試験が終わって帰国してからしばらくは、それまでかなり集中して勉強していたので集中力がきれ、何もやる気が起きませんでした。ただ、問題感覚だけは失わないようにと毎日1チャプターくらいずつBISKを解いていました。結果が分かったのは10月1日。オンラインで確認したところ、2教科とも合格していると分かりました。合格が分かった瞬間、うれしさよりも他の2教科に18ヶ月以内に合格しなくてはならない、という変なプレッシャーを強く感じ たことを覚えています。
モチベーションをあげるためにすぐに他の2教科(FAR&AUD)のテストセンターを予約し、試験日を11月中旬に決めました。
短期集中 パート2
試験日が一ヶ月半後と決まり、私は再び短期集中する決心をしました。FARとAUDは試験範囲が広く、覚えるべきことも多かったので私は暗記ノートと問題を繰り返しとくことによって知識の定着を図りました。大まかな学習スケジュールは次の通り。
- グアム大学のテキストを見直しながら重要事項を暗記。
- 見直しが終わった項目をBISK問題集で解く(BISK2周目)。この時、間違えた問題番号を書き留める。
1と2を合わせて10日ほど - BISK2周目を終えて理解が浅い項目と頻出重要項目について暗記ノート作成。また、AUDはオピニオン等をノートに書き出し、常に持ち歩いて暗記した。並行してBISK2周目で間違えた問題に再挑戦。
※2週間程度 - 試験までひたすら暗記。また問題慣れするためにBISKの問題を一日100問くらい解く。
- グアム大学の試験直前対策教材(SUPER直前)を購入。試験範囲が多く、不安を感じたため。SUPER直前受講後、理解力が著しく伸び、BISKの正答率が80%前後になった。
- 試験までひたすら暗記。また問題慣れするためにBISKの問題を一日100問くらい解く。AUDは過去問と同じような問題がでると聞いていたので、BISKの頻出チャプターに蛍光ペンで解答を書き込み、赤い下敷きを使って(伝統的試験勉強方法!)試験直前まで5回以上繰り返し問題を解く。
学習時間は前回受験したときとほぼ同じです。平日に5時間、週末に8時間は勉強時間をとるように努力しました。
試験本番 FAR & REG
試験会場は交通の便が良いという理由で、ニューヨークを選びました。ニューヨークの試験会場はペンステーションの駅ビル内にあります。ニューヨークは地下鉄が発達しているので、市内のホテルからのアクセスは抜群でした。ただ、セキュリティーチェックが厳しかったり、試験中に何度もパトカーや救急車のサイレンが聞こえたり、といったマイナス面もありました。
試験は、前回と同様で基礎問題が多いと感じました。しかし、試験範囲が膨大だったために暗記が間に合っておらず、多分不合格だろうと思いました。
合格!!!
帰国してからは特にやる気がでず、だらだら勉強する日々が続きました。このころは、暗記が十分でなかったと感じたFARの政府会計をだらだら復習していました。
そして、12月下旬。オンラインで両教科の合格が確認でき、さらに1月1日に合格通知が届きました。まさか合格しているとは思っていなかったのでうれしかったです。
転職
資格を取得し、私は監査法人に転職することになりました。転職する際にはグアム大学で築いたネットワークが役立ちました。グアム大学のライブ授業に出席した時に知り合った生徒の方の友人が監査法人に勤務しており、人事の方を紹介してもらうことができたからです。
『資格取得』と『転職』という人生の転機を与えてくれたプロアクティブ/グアム大学日本事務局にとても感謝しています。