USCPAを目指したきっかけ
上海での仕事や留学(中文)経験を通し、現代経営や現代金融の源流の多くはアメリカにあることを改めて実感するとともに、「真に役立つ中国人材」ではなく「真に役立つグローバル人材」に早急に変革したいとの思いが募り、これに対しUSCPAが持つ次の要素がこの変革に寄与すると考えたため。
- ビジネス直結の英語が身に付く。
- 普遍的に使える経営のフレームワークが身に付く。
- 資格自体がグローバルな認知度を持つ。
- 仕事をしながら取れる。
科目ごとの具体的な学習方法・学習時間・使用した教材を教えてください。
学習時間について | 1週間当たりの平均学習時間 | |
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平日 | 週末 | |
平時 | 2-6時間/5日間 | 5-10時間/2日間 |
試験直前期(約1.5ヶ月) | 20時間/5日間 | 18時間/2日間 |
FAR:240時間(英文会計入門・中級、テキスト&DVD、過去問データベース)
初級中級の正確な理解が鍵。講師がDVDで強調する点をおさえれば試験対策はOK。
AUD:80時間(テキスト&DVD、過去問データベース)
英語力と監査の流れの理解が鍵。講師が強調する点、および混同しやすい暗記モノの整理が重要。
REG:205時間(テキスト&DVD、過去問データベース)
混同しやすい暗記モノが一番多い科目で、正確な理解と暗記が鍵。講師が強調する点を中心に整理して何度も復習。
BEC:280時間(テキスト&DVD、過去問データベース、BISK)
業種/職種を問わない”使える知識”が一番多い科目であり、アウトプットを意識した学習が重要。範囲が広いからと表面をなぞるような学習では試験で解けない。私は1度落ち、エッセイも点を取るべきだと考えた。
一回目の試験、4科目同時受験まで。
DVD&テキスト(4科目)を1周(初級中級→FAR→BEC→REG→AUDの順)。同時にDVD、テキストの中でポイントとなりそうな部分、丸暗記部分、及び分からない英単語をポケットサイズのサブノートへ“コンパクトに”、“分かりやすく”、“見開きQ&A形式”でまとめ毎日復習(約5ヶ月)。
DVD&テキスト(4科目)の2周目。同時に1周目で気づかなかったポイントなどサブノートへ追記、毎日復習(約1.5ヶ月)。
受講生ページにある最新過去問を解く。BECはITが不安だったため試験前夜に濱田講師のIT講義もチェック(各科目を受験しながら。約10日)。
二度目の試験、BECのリベンジまで。
仕事中心の元の生活に一旦戻り、1.5ヵ月後、改めて情報収集のうえ学習プラン作成。中国ネット対策のため、IE最新バージョンのPC及びnexus7を導入。空気清浄機を導入。悪くない勉強スポット発掘。
4科目同時受験へ向けて作ったサブノート全ページを読み直し、BECおよびBECに関連するその他科目の知識を新サブノートへ転記(“コンパクトに”、“分かりやすく”、“見開きQ&A形式”)。転記に当り、次の点を工夫(約40日)。
- 英単語は別のノートへ。同義語や反対語を併記。分かり難い単語は例文も記載。
- 特にCorporate Governance、経済、及びITは、ネットでの調べ物を念入りに行い、周辺知識までカバ
ーしたより正確な内容のノートへ仕上げた。同じ目的のために証券アナリスト学習時代に使用したテキストも活用した。
新サブノートの作成が半分程度進んだ段階から、次の2点を同時進行(約40日)。
- IT関連の某資格試験の参考書(2.5周)。IT分野の基礎の基礎を日本語で学習。
- TOEFLのエッセイ対策の参考書(1周)。スムーズに英作文が出来る練習。また、英文エッセイのフォーマットを身につけた(各パラグラフの頭は5文字空けるべきか否か、といった点まで気にした)。
新サブノート完成後、プロアクティブのテキスト全ページ→濱田講師の全講義(計10-15日)、同時に新サブノートを毎日復習。
AICPAリリース問題:2013年→2012年→2011年、及びBisk模擬問題(計約3日)。
Bisk問題:IT→Corporate Governance→Strategic Planning(計約3日)。
その他にこんなことも。
佐々木講師のブログを日々チェック。
米メルマガ2誌(ビジネス専門用語の解説を1日1語配信)を日々チェック(細切れ時間に読む)。
科目別受験してみての感想
FAR
形式的な点を問う問題ばかり。政府/公会計とIFRSの出題も多い。MCで多少落としてもSimで挽回可能。
AUD
私のように付け焼刃な英語力だと微妙な選択肢で迷う。逆にSimは迷わない問題多くここで挽回可能。
REG
税務、各種法とも正確に丁寧に暗記したためMCは概ね解けた。一方、Simでは聞いたこともないテーマの大問が複数あり試験中に絶望的になったが、それらは捨てた。
BEC
Corporate GovernanceとITは、一定レベル勉強して臨んでも選択肢迷う。その他MCは、比較的簡単。エッセイは、私の場合は英作文力がボトルネックだと分かったため、2度目は英文エッセイの練習をして臨み、これが吉と出た。
受験勉強で苦労したことは?
中国語脳から英語脳への切り替えに苦労した。2010年9月の上海赴任以降、中国語力の向上と反比例して英語力が低下し、特にBEC(第1回)試験のWC解答時は、中国語しか思い浮かばずほとんど文章が作れず終わってしまった。
健康管理も大変だった。4科目同時受験の際は、受験のための一時帰国の10日間ずっと寝不足で、疲労のピークから洗顔料を歯ブラシに乗せ口に入れたこともあった。そして中国ではPM2.5と鶏インフルが流行り、たびたび喉の痛みに悩まされた。これらを乗り切ったことで、少しタフになれた気がする。
合格後の活用について教えてください。
3科目合格時点にて一部ローカル社員へその旨伝えたところ、特に銀行や監査法人より転職してきた社員の私に対する見方が変わり、以前よりも相談される回数が明らかに増えた。中国でも相応に認知された資格なのだと実感した。
現法の経営企画を任されることが決まり(←CPAが直接のきっかけとなった訳ではない)、4月からその準備期間に入っている。グループ連結決算がUSGAAPを採用していることもあり、CPAで学習した知識がフル活用される。より良い組織作りと事業運営に少しでも貢献できればと考えている。
中期的な人生プランは現在模索中(←CPAライセンス取得すべきか含む)。
これからUSCPA合格を目指す方や、勉強中の方へのアドバイスをお願いします!
試験のための勉強と思わず、ここで得た知識を仕事に活かすことに重点を置くことで、正確なインプットも楽しみながら出来ると考えます。そして、マニアックな問題のない試験ですので、このような考えに基づいた勉強でも十分に合格出来る試験です。